解説 |
蓼食う虫も好き好き。幼虫は,スイバなどタデ科のすっぱい植物だけを食べる。ヨーロッパではこの仲間で絶滅した種もいるが,日本では草むらに春から秋遅くまで普通。草地にいるシジミチョウには,雄は青,雌は黒い翅表をした種が多いが,本種は雌雄ともに赤色で,日本に似た種はいない。まれに赤色部が白色になった個体が見つかることがある。草上などを素早く飛ぶが,長距離は飛ばず,すぐに近くに止まることが多い。夏型はやや高い木の上に止まることもあり,長竿で叩いて飛び出したベニシジミに,一瞬珍品かとドキッとさせられることもある。鮮やかな赤と黒のコントラストは,普通種とはいえ美しい。根元に近い葉や食草以外の枯葉などに産卵する。幼虫の体色には変異があり,全体緑色のものや紅色の線が目立つものなどがある。スイバの仲間は山菜としても利用できるが,生で食べ過ぎると蕁麻疹が出ることもあるのでご注意。科学園記録種。 |
分布 | 北海道,本州,四国,九州(種子島を含む) |
年間の発生回数 | 多化 |
食草等 | ギシギシ・スイバなどのタデ科ギシギシ属 |
成虫の出現時期 | 3-11月 |
越冬態 | 幼虫 |