解説 |
九州以北に分布するヒョウモンチョウでは,唯一の多化性。現在恒常的に越冬している太平洋岸の最北地は,茨城県付近であると考えられる。以前から迷チョウとして記録されることがあったが,中部・関東地方では1990年代から急増し,北関東には2000年代になって定着した。今では夏には,平地から山地までどこでも見られるチョウになってしまったが,ギンボシヒョウモンやキベリタテハのような山地性のチョウに混じって飛ぶ南国のチョウには,やはり違和感がある。幼虫は野生種だけでなく,パンジーなどの栽培種のスミレも好んで食べる。コンクリートの隙間に生えたスミレを食いつくして,新たな餌を求めて歩いている幼虫は,一般の人には毛嫌いされるケムシの典型。成虫は山頂に集まる習性が強く,石や背の高い草の上などで占有行動をとる。東北北部や北海道でも,まれに採集されることがある。科学園記録種。 |
分布 | 本州,四国,九州,南西諸島 |
年間の発生回数 | 多化 |
食草等 | スミレ類 |
成虫の出現時期 | 5-11月 |
越冬態 | 幼虫 |